私の特別ルーティーン

こんにちは、ゆりりうすです。

皆さんは旅行に行く時、どんな用意をしますか?

まず、荷物を用意しますよね。衣類とか、タオルとか、本とか、服を洗う石鹸とか。場所によってはトイレットペーパーまで。お金と海外だったらパスポートも忘れずに。そして海外の場合は現地の言葉を少し。「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」「ごめんなさい」「これは何ですか?」「これはいくらですか」「助けてください」等々…。

でもですね、私はこの他にもう1つ用意するんです。

それは旅行に行く土地の妖怪を調べてから行く、ということです。えっ、何言ってんの?まあ、そう思うのも仕方ありません。普通の人はそんな事しないのかもしれません。っていうか、しないですよね?

実は、私は水木しげるドップリ世代。しかも鬼太郎の。だもんで、妖怪はいる前提で生きています。子供の時から家にある本で「いちばんくわしい日本妖怪図鑑」佐藤有文著(立風書房·ジャガーバックス)と「いちばんくわしい世界妖怪図鑑」佐藤有文著(立風書房·ジャガーバックス)が今でもしっかり活躍しています。

この本は当時430円で消費税もなかった頃だから、子供のおこずかいで買えました。もちろん絶版です。

今、これを書くにあたって、この本の事を調べてみたら、一度復刊して(違う出版社)もう絶版になっていました。しかも復刊で売っていた時の値段が4千円台で子供の頃に手に入れた時の10倍でした。どうしても手に入れたい人は古本屋で探して1万円くらいはするらしいです。

少し話がずれたので元に戻して、この2つの図鑑を使って、行き先の妖怪を調べてメモをして出かけます。

だって恐いじゃないですか?知らない土地に行って妖怪が出たらどうします?

例えば、旦那と結婚して初めて旦那の郷里の福岡県へ行った時は、福岡県→河童とぬりかべだな。だから、河童はキュウリ。ぬりかべに会った時は棒で足元をはらうと消えるんだな、とか言って会った時に備えます。

同じように独身の頃、海外に行く時も調べました。

イタリア→幽霊騎手。手立てなし。

イタリア→吸血グール。少女や子供だけを狙う。少女じゃないから平気か。

アイルランド→とりかえっ子。子供がいないから大丈夫。

イギリス→モズマ。恐ろしいことに身体が裏返しになっていて、人間の頭から脳ミソを吸い取ってしまう。手立てなし。

中国→女夜叉。子供だったら、振り向かなかったら助かるかも。

ロシア→地底魔王ブイイ。手立てなし。

アフリカのジャングル→さかさ男。3回言葉をかけてくる。「お前は男か?」「女だ」「お前は子供か?」「大人だ」という風に全部反対に答えないと手足を逆さまにされてしまうのだ。これは恐くて小さかった時、家で一生懸命練習した。でも、よく考えたら私はアフリカの言葉を知らないので、日本語で答えてもきっと駄目で手足を逆さまにされてしまうな、と膝から崩れ落ちたものです。

こんな事を紙に書いてカバンに入れて安心します。はい、少しおかしい人かもです。でも、子供の時からの癖なので、これをやらないと落ち着きません。

それでありながら、妖怪は好きなので小学1年生の時からテレビで妖怪映画は見る。

クリストファー·リーのドラキュラシリーズは本当に恐ろしくて、うなされるは、作文に書いちゃうは、で散々でした。

あと、俳優の竹中直人さんも好きだという「ヴィー」。これ、当時邦題が「妖婆、死棺の呪い」だったと思います。これも恐いのに何度も見ました。今、手に入れられるんでしょうかね?

あと、高校生の時、母と一緒に井村君江先生と「イギリス、アイルランドケルト文化と妖精ツアー」に行ったら、本当に幽霊が出ちゃった事がありました。

それはイギリスの古城をホテルにした所だったのですけど、私と母はホテルの新館に泊まったので何もありませんでした。問題は古城だった古い方に泊まった人達です。何でも天蓋ベッド付きの古い部屋で、夜中にベッドの周りを誰かが歩き回っていて、衣擦れの音までしたそうです。多分、その城の持ち主だった人か貴族の人か、どちらにしろ高貴な人だったのではと、次の日の朝食の席ではその話で持ちきりでした。しかし、イギリスだからそんな事もあるかな、と後になって思いました。

それから、これは日本で私の父が体験した話です。

父は落語家だったので、演目で「お岩さん」を演る時はきちんと四ツ谷の四谷於岩稲荷田宮神社にお参りします。これは舞台をやる方や歌舞伎役者さんもそうですよね。

それでお参りをして父はその日高座へ上がりました。話をしている最中、後ろの舞台の裏を誰かがスッスッと歩く足袋の音がします。父は話しながら「あれ?」と思ったそうですが話を終えて無事高座を降りました。楽屋に入り、中の人に「ねえ、俺が話している最中誰か舞台の裏を通らなかった?」と聞いたら、皆「いいえ、誰も通ってません。」と言ったそうです。それで楽屋は大騒ぎ。じゃあ、今のあの足音は何だったのかと皆でゾッとした、とこういう話を子供の頃に聞きました。

今、21世紀に入っても、いい年になってもまだ妖怪を信じています。

父は鬼籍に入りましたが、まだ出てきてくれません。でも私が死んだ時は是非とも出て、みんなにいたずらして驚かせて面白がりたいなあ、と悪趣味な事を考えています。ごめんこうむります?